ぼぶみです。
突然ですがクイズです。
これ何か分かりますか?
これはマグロの血合いのステーキです。
買ったことすらない人が多いのではないでしょうか?
写真だと伝わりにくいんですが、
こちら600gほどあって、お値段たったの500円です!
今回は、何故か誰も買わないこちらの食材にクローズアップしていきます。
血合いって何?
血合いとは、
魚を捌いたときに見える赤黒い部分のことです。
ブリのお刺身を思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思います。
以下はマグロの写真ですが、周りと比べて黒いですよね?
そこが血合いです。
もう少し詳しく言うと、
魚の背中側の身と腹側の身の間にある、
「赤色筋繊維」という細胞が固まった部分を指します。
血合いには赤い色をした「ミオグロビン」というたんぱく質が多く含まれています。
そのため、ほかの部分に比べて濃い色をしています。
これは余談ですが、
○○グロビンという響きに聞き覚えないですか?
そうです。
ヘモグロビンです。
この2つがどう違うか簡単に説明すると、
・ヘモグロビン
血液中の赤血球に含まれる、身体中に酸素を届けるためのタンパク質
・ミオグロビン
筋肉のなかに含まれる、酸素を蓄えておくためのタンパク質
こんな違いがあります。
マグロの血合いのここが欠点…
基本的にいいことだらけの血合いですが、
ここが欠点かなと思うところがあります。
それは
- 見た目が悪い
- 足が早い
- 下処理が少し手間
見た目が悪い
冒頭でお見せした写真の通り、
正直あまり美味しそうな見た目はしていません。
赤黒く、トレイの中にドリップが溜まっていることが多いですが、
味には全く問題ありませんので、勇気をもって手に取ってみてください!
足が早い
マグロの血合いは鮮度が落ちやすいです。
見た目の影響もあるのか、私がよく使うスーパーでは大抵売れ残っているので、
さらに消費期限が短くなっていることが多いです。
鮮度がよくないと当然匂いも味が悪くなてしまうので、
お早めにお召し上がりください!
下処理が少し手間
前述の通り、血合いは血液が集まる部位なので匂いが強く、
その分下処理にも時間がかかります。
ですが、ここさえしっかりやってあげれば美味しく食べることができます。
具体的な方法としては以下の2通りの方法があります。
- 水洗い
- 茹でる
こちらの方法は新鮮な血合いが手に入ったときにおすすめです。
料理としては刺身やたたき、ステーキがおすすめです。
- ドリップを水で洗い流して、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- ボウルに血合いが被る程度の水を張り、
料理酒を2回しほど加え、1時間漬けておく※ - 血で濁った水を捨て、再度軽く水洗いしてペーパーで水分を拭き取る
※気になる方は20~30分間隔で水を取り替えてください。
こちらの処理方法は血合いを煮付けや、から揚げなどに使う場合におすすめの方法です。
- ドリップを水で洗い流して、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- 料理酒をお湯1Lに対して大さじ1杯入れて5分茹でる※
- 茹で上がったら粗熱を取り、酒と塩をふって10分ほど置く
- キッチンペーパーで余分な水分を拭き取る
※気になる方は刻み生姜かすりおろし生姜を入れると、より臭みを抑えられます
マグロの血合いのここがイイ!
みなさんお待ちかね!
血合いの良いところ紹介です!!!
血合いには上記程度の欠点なんて微塵も気にならないほどの魅力があります。
それは以下の3点です!!!
- 安い
- 低カロリー、高タンパク、低脂質
- 栄養が豊富
安い
血合いは刺身にするには生臭いと言う理由から、
マグロのほかの部位と比べて非常に安く売られています。
皆さんが良く買うであろう部位と比較すると、
以下のような差があります。
・赤身(100g)/¥200~¥500
・トロ(100g)/¥500~¥1000以上
・血合い(100g)/¥30~¥100
なんと赤身の半額以下でお買い求めいただけます!
しかも、大抵500g以上の大きい切り身で売られています。
更には、大抵売れ残っているので、
ただでさえ安い血合いが、更に割引された状態で売られています。
「500g以上のマグロの切り身が数百円で買える」
と考えたらいかがでしょうか???
誰がどう見ても家計の味方なのに、
なぜ誰も買わないんでしょうか?
私には分かりません。
低カロリー、高タンパク、低脂質
百聞は一見に如かず
こちらも皆さんが良く買うであろう部位の100gあたりと比較すると、
以下の表のようになります。
カロリー | タンパク質 | 脂質 | |
赤身 | 125kcal | 26.4g | 1.4g |
トロ | 344kcal | 20.1g | 27.5g |
血合い | 100kcal | 25.2g | 0.2g |
一目瞭然ですね!
一般に低カロリーと言われる赤身よりも更に低カロリー、低脂質です。
タンパク質も一食で25g摂取できるお手軽さです!
どう見てもダイエット食です。
低脂質な食事を心がけている方々には特におすすめな食材です。
また、元の脂質が低く味も濃いため、
竜田揚げにしても罪悪感なく食べられます。
栄養が豊富
血合いは名前の通り血が集まる部位
つまり、
血管が集まる部位です。
血液は全身に栄養を運ぶための媒体ですので、
血管が集まるという事はそれだけ栄養も詰まっているという事です。
こう言うと気持ち悪く思われるかもしれませんが、
・中国の血豆腐
・モンゴルのブラッドソーセージ
・フランスのカナール・オ・サン
等々
血液の食用利用は世界的にみるとポピュラーなものなんです。
また、「アミノ酸スコア」というタンパク質の質を表す数値も100なので、
質の良いタンパク質でもあります。
血合いの栄養素について
では具体的にどのような栄養素が詰まっているかです。
特筆するものとしては以下の栄養素が含まれます。
それぞれ簡単に解説していきます。
- ミオグロビン
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンB6
- 亜鉛
- DHA
- EPA
- タウリン
- カルニチン
ミオグロビン
先ほど軽く触れましたが、ミオグロビンは酸素を蓄える性質があります。
酸素を捕まえておくのは「鉄」が持っている性質です。
つまり、
ミオグロビンが豊富に含まれる血合いには鉄が多く含まれます。
鉄はヘモグロビンの核となり、体の隅々まで酸素を運ぶ役割をするので
貧血の改善に役立ちます。
ビタミンA
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸という成分の総称です。
ビタミンAの主な成分であるレチノールには、
目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。
ビタミンD
ビタミンDは肝臓と腎臓を経て活性型ビタミンDに変わります。
主に体内の機能性たんぱく質の働きを活性化させることで作用を及ぼします。
ビタミンDの生理作用の主なものに、
正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。
ビタミンB6
ビタミンB6は多くのアミノ酸の代謝を助けてくれます。
免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進、
赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、
脂質の代謝にも関与しています。
亜鉛
亜鉛は骨の成長や肝臓、腎臓、
インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、
新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。
これはご存じの方が多いかと思いますが、
味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。
DHA
DHAは体内で合成できない不飽和脂肪酸のひとつです。
DHAには体内の免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進、
血管壁の収縮、血小板の凝集に関わる等のさまざまな働きがあります。
また、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにする働きがあり、
記憶力や言語能力などの認知機能、
行動能力にも好影響をもたらすといわれています。
おさかな天国という歌でも
「魚を食べると頭が良くなる」と言われていますよね。
EPA
EPAもまた体内で合成できない不飽和脂肪酸のひとつです。
体内の免疫反応の調整、アレルギー疾患・高血圧・動脈硬化・脂質異常症・
脳卒中・心筋梗塞・炎症性の症状の予防と改善に効果を発揮します。
血液の凝固を抑える働きがあるため血栓症の予防が期待できます。
つまり、血液をサラサラにするという事です。
さらに、
中性脂肪の増加による動脈硬化や脂質異常といった
生活習慣病の改善に役立つ成分として、
特定保健用食品や機能性表示食品にも利用されています。
タウリン
タウリンはたんぱく質が分解される過程でできるアミノ酸に似た物質です。
魚介類や軟体動物に多く含まれており、
消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きなどを持ち、
生活習慣病の予防に有効なアミノ酸です。
カルニチン
赤身の肉に多く含まれるアミノ酸の1種です。
長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運搬し、
燃焼することでエネルギーを産生するため、
体脂肪燃焼を助ける働きがあります。
参考
・鉄 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・ビタミンAの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
・ビタミンDの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
・ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
・亜鉛の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
・DHA|栄養素カレッジ|大塚製薬 (otsuka.co.jp)
・EPA|栄養素カレッジ|大塚製薬 (otsuka.co.jp)
・(2020年7月発行)生体におけるタウリンの役割 (mac.or.jp)
・厚生労働省eJIM | カルニチン | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト (ncgg.go.jp)
調理例
では実際にどうやって食べればいいのでしょう?
皆さん気になってますよね?
というわけで!
皆さんに美味しく食べていただけるようなレシピを3品(各2人前)紹介していきます!
ステーキ
材料
- 血合い 300g
- ニンニク 2片
- オリーブオイル 適量
- 麺つゆ 適量
- 塩・胡椒 適量
- 血合いの下処理を済ませておく
- 血合いを1㎝ほどの厚さで切り、両面に軽く塩・胡椒を振る
- ニンニクをスライスし、冷たい油から弱火で炒める
※焦げ目がついたらニンニクは引き上げておく - 弱火のまま、両面に焼き色がつくまでじっくり焼く
- 血合いを焼き終わったフライパンは洗わずに、
そのまま麺つゆを3周ほどかけて煮詰める - 煮詰まった麺つゆと、
引き上げておいたニンニクをステーキにかけて完成
竜田揚げ
材料
- 血合い 300g
- ニンニク 2片
- ショウガ 1片(10gほど)
- 酒 大さじ2杯
- みりん 大さじ1杯
- ザラメ 大さじ1杯
- 醤油 大さじ2杯
- 片栗粉 適量
- 血合いの下処理を済ませておき、1口大に切る
- ニンニク、ショウガをすりおろす
※チューブでも可ですが、その場合は醤油の量を減らしてください - 片栗粉以外の材料全部をタッパーなどに入れ、
3~4時間漬けておく
※しっかり味付けしたい方は一晩くらい漬けても大丈夫です - 片栗粉をまんべんなくまぶし、
180℃の油できつね色になるまで揚げて完成
ユッケ
※鮮度の良い血合いが手に入ったときのみ作ってください
材料
- 血合い 200g
- ニンニク 1片
- ショウガ 1片(10gほど)
- 豆板醤 小さじ1杯
- 醤油 小さじ2杯
- 砂糖 小さじ1杯
- ごま油 お好きなだけ
- 煎りごま お好きなだけ
- 血合いの下処理を済ませておき、包丁で粗くたたく
- ニンニク、ショウガをすりおろす
※チューブでも可です - 全部混ぜ合わせて完成
お好みで卵黄を添えてもGood!
まとめ
食材の魅力からレシピまで紹介しましたがいかがでしょうか?
まとめると、
マグロの血合いは
安くて、低カロリーで、栄養価が高く、
しかも美味しいスーパー食材です。
ダイエット中の方にも、節約したい方にも魅力的なのに
何故か誰も買わないマグロの血合い
皆さん!
今がチャンスですよ!!!
是非紹介したレシピを試してみて下さい!
それではまた
コメント